【介護に備えて】

 うちの親が最近忘れっぽくなってきて。
 将来の介護大丈夫かな?費用はどのくらいかかるのか?どんなサービスをうけられるのか?
 漠然と介護の不安を抱えて、どうすればいいのか分からない人が多いと思います。
 事前に情報収集して具体的な対応を確認し、急に介護に直面して慌てることがないように備えておきましょう。

本人の希望する介護を確認しましょう

 親が元気なうちに、介護が必要になった時にどうしたいか確認しておきましょう。
 「迷惑を掛けたくないので施設に入るつもりだ。」「老人ホームは嫌だ。出来るだけ家で過ごしたい。」希望する介護は人によって様々です。
 誰に、どこで介護をされたいか、本人の意思を尊重することは大切です。
 面と向かって聞きにくい場合は、帰省した時やチラシを見た時など、きっかけがあった時に本人に介護のことについて聞いてみましょう。

介護保険を利用するには

 訪問介護などの介護保険サービスを利用するには、要介護認定を申請して要介護認定を受ける必要があります。

要介護認定とは

 要介護認定とは、どのような介護サービスがどの位必要か判定を行うことです。
 要介護認定は、介護の必要度合いにより次の7つに分類されます。

介護度状態
要支援1・掃除、家事、買い物など日常生活はほぼ自分で行える。
・入浴、排せつなどを自分で行える。
・立ち上がる時などに一部介助が必要
要支援2・掃除、家事、買い物など日常生活はほぼ自分で行える。
・入浴、排せつなどを自分で行える。
・歩行に介助が必要なことがある。
要介護1・掃除、家事、買い物など日常生活に一部介助が必要
・入浴、排せつなどをほとんど自分で行える。
・歩行に介助が必要なことがある。
・思考力、理解力が低下し混乱したり、問題行動が見られることがある。
要介護2・掃除、家事、買い物など日常生活に一部介助が必要
・入浴、排せつなどに一部あるいは全面的に介助が必要
・歩行に一部あるいは全面的に介助が必要
・思考力、理解力が低下し混乱、問題行動が見られることがある。
要介護3・掃除、家事、買い物など日常生活が自分1人で行えず、ほぼ全面的に介助が必要
・入浴、排せつなど自分1人で行えず、ほぼ全面的に介助が必要
・歩行を自分1人で行えず、ほぼ全面的に介助が必要
・思考力、理解力が低下し混乱や問題行動が見られる。
要介護4・掃除、家事、買い物などほとんど行えず、日常生活に全面的に介助が必要
・入浴、排せつなどほとんど行えず、全面的に介助が必要
・歩行をほとんど行えず、全面的に介助が必要
・思考力、理解力が低下し混乱や問題行動が見られる。
要介護5・ほぼ寝たきりの状態で寝返りなどを行えず、全面的に介助が必要
・入浴、排せつなど行えず、全面的に介助が必要
・意思の疎通が困難な状態

要介護認定の申請をする

 要介護認定の申請は、本人の住んでいる区の保健福祉課で申請手続きを行います。
 申請は原則本人が行いますが、家族、地域包括支援センター、ケアマネジャーが代行出来ます。
 まずは地域包括支援センターへ相談に行ってみましょう。相談、手続は無料です。
 申請後に、区の職員または札幌市社会福祉協議会の職員が訪問調査員として自宅に訪れ、食事や入浴、日常生活動作などの調査を行います。また、市区町村からかかりつけ医へ「主治医意見書」の作成を依頼されます。
 「主治医意見書」は物忘れ外来などがある病院で受診する必要がありますが、認知症の方は、認知症ではないと言って受診を拒否する人が多いです。受診を嫌がる場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談し事前に打ち合わせをして「健康診断に行こう。」「○○才になったら受診しないといけない。」等の理由で診察に誘ってみましょう。
 調査の結果を元に審査が行われ、原則、申請から30日以内に自宅へ認定結果が郵送されます。
札幌市地域包括支援センター一覧
【札幌市区役所 保健福祉課一覧】

区役所住所直通電話番号
中央区役所
保健福祉課福祉支援一・二係
札幌市中央区南3条西11丁目011-205-3304
北区役所
保健福祉課相談担当係
札幌市北区北24条西6丁目011-757-2509
東区役所
保健福祉課福祉支援一・二係
札幌市東区北11条東7丁目011-741-2463
白石区役所
保健福祉課相談担当係
札幌市白石区南郷通1丁目南011-861-2451
厚別区役所
保健福祉課相談担当係
札幌市厚別区厚別中央1条5丁目011-895-2481
豊平区役所
保健福祉課福祉支援一・二係
札幌市清田区平岡1条1丁目011-889-2041
清田区役所
保健福祉課福祉支援係
札幌市清田区平岡1条1丁目011-889-2041
南区役所
保健福祉課相談担当係
札幌市南区真駒内幸町2丁目011-582-4747
西区役所
保健福祉課相談担当係
札幌市西区琴似2条7丁目011-641-6948
手稲区役所
保健福祉課相談担当係
札幌市手稲区前田1条11丁目011-681-2504

介護サービスを利用する

ケアプランを作成する

 介護サービスを介護保険(負担額1割~3割)で利用するには、ケアプランが必要になります。
ケアプランとは、本人や介護する家族の希望に基づいてどのサービスをどのくらい利用するか計画した、介護サービスの利用計画書のことです。ケアプランは家族でも作成できますが、申請書を取り寄せてサービスの選定、各施設とのやり取り、毎月作成しなければならず大変なので、ケアマネジャー(介護支援専門員)に作成してもらいましょう。作成費用は全額保険給付されるので無料です。

ケアマネジャーを選ぶ

 ケアマネジャーは、地域包括支援センターで紹介してもらえますが、ケアマネジャー選びは、面接するつもりで慎重に行いましょう。いいケアマネジャーに出会えるかで介護の大変さが変わってきます。
選ぶポイントとしては、

①【話をきちんと聞いてくれて、希望に合ったサービスを提供してくれるか】
 自分の所属している施設しか紹介しない、知識不足で適切なサービスを知らない、訪問介護で1、2軒問い合わせただけで「希望の時間に入ってくれるヘルパーさんはいません。」と平気で提案するなどのケアマネージャは残念ながら少なくありません。
 ケアプランに納得がいかなければ他のケアマネジャーへ相談してみましょう。

②【親身になって相談に乗ってくれるか】
 介護をしている中で辛くなったとき、そんなときに親身に相談に乗ってくれる人がいると、気持ちが軽くなることがあります。ケアマネージャは、介護が始まるとずっと関わってもらうことになるので、印象のいい相談しやすい人に依頼しましょう。
 ケアマネージャは、途中で何度でも変更することが出来ます。最初の印象と違った等の場合は、変更を検討しましょう。

③【倫理要綱を守っているか】
 一般社団法人「日本介護支援専門員協会」は、ケアマネジャーの倫理綱領を公表し、ケアマネジャーの試験にも出題されています。ケアマネジャーを選ぶ際に、この倫理綱領を遵守しているか判断基準にして下さい。

介護支援専門員 倫理綱領
条 文

(自立支援)
1.私たち介護支援専門員は、個人の尊厳の保持を旨とし、利用者の基本的人権を擁護し、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、利用者本位の立場から支援していきます。
(利用者の権利擁護)
2.私たち介護支援専門員は、常に最善の方法を用いて、利用者の利益と権利を擁護していきます。
(専門的知識と技術の向上)
3.私たち介護支援専門員は、常に専門的知識・技術の向上に努めることにより、介護支援サービスの質を高め、自己の提供した介護支援サービスについて、常に専門職としての責任を負います。また、他の介護支援専門員やその他専門職と知識や経験の交流を行い、支援方法の改善と専門性の向上を図ります。
(公正・中立な立場の堅持)
4.私たち介護支援専門員は、利用者の利益を最優先に活動を行い、所属する事業所・施設の利益に偏ることなく、公正・中立な立場を堅持します。
(社会的信頼の確立)
5.私たち介護支援専門員は、提供する介護支援サービスが、利用者の生活に深い関わりを持つものであることに鑑み、その果たす重要な役割を自覚し、常に社会の信頼を得られるよう努力します。
(秘密保持)
6.私たち介護支援専門員は、正当な理由なしに、その業務に関し知り得た利用者や関係者の秘密を漏らさぬことを厳守します。
(法令遵守)
7.私たち介護支援専門員は、介護保険法及び関係諸法令・通知を遵守します。
(説明責任)
8.私たち介護支援専門員は、専門職として、介護保険制度の動向及び自己の作成した介護支援計画に基づいて提供された保健・医療・福祉のサービスについて、利用者に適切な方法・わかりやすい表現を用いて、説明する責任を負います。
(苦情への対応)
9.私たち介護支援専門員は、利用者や関係者の意見・要望そして苦情を真摯に受け止め、適切かつ迅速にその再発防止及び改善を行います。
(他の専門職との連携)
10.私たち介護支援専門員は、介護支援サービスを提供するにあたり、利用者の意向を尊重し、保健医療サービス及び福祉サービスその他関連するサービスとの有機的な連携を図るよう創意工夫を行い、当該介護支援サービスを総合的に提供します。
(地域包括ケアの推進)
11.私たち介護支援専門員は、利用者が地域社会の一員として地域での暮らしができるよう支援し、利用者の生活課題が地域において解決できるよう、他の専門職及び地域住民との協働を行い、よって地域包括ケアを推進します。
(より良い社会づくりへの貢献)
12.私たち介護支援専門員は、介護保険制度の要として、介護支援サービスの質を高めるための推進に尽力し、より良い社会づくりに貢献します。

介護サービスの主な種類

 介護サービスは大きく分けて「在宅サービス」と「施設サービス」の2つに分類され、主に次のものがあります。

サービス名内容月額費用の目安
(要介護3、1割負担の場合、他に特定事業所などの加算があります。)
訪問介護ホームヘルパーが、自宅へ訪問して、調理、排せつ、入浴、掃除、洗濯、買い物代行などの介助をしてくれます。
【注意点】
利用は要介護のみ。介護の範囲を超えたサービス(本人以外の家族のための料理、窓ふきなど)は依頼出来ません。
11,740円
※身体介護(1時間以上1時間30分未満)(1回あたり587円)、週5回、月20回利用の場合
訪問看護看護師等が、自宅へ訪問して、健康状態の確認、診察、点滴、注射などの処置をしてくれます。
【注意点】
療養ケアの範囲を超えたサービス(掃除、洗濯、買い物代行などの日常生活の介助)は依頼出来ません。
16,680円
※訪問看護ステーション(30分以上1時間未満)(1回834円)、週5回、月20回利用の場合
通所介護(デイサービス)施設へ日帰りで通い、リクリエーション、食事、入浴などのサービスを受けることが出来ます。送迎サービス付
【注意点】
利用は要介護のみ。施設の雰囲気や知らない人との交流がストレスになることがあります。
10,752円
※7時間以上8時間未満(1回あたり896円)、週3回、月12回利用の場合
別途、食費(500円程度)がかかります。
認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)認知症の方が対象で、施設へ日帰りで通い、リクリエーション、食事、入浴などのサービスを受けることが出来ます。利用者定員が12人以下と少人数なので手厚い介護を受けることが出来ます。送迎サービス付
【注意点】
利用は要介護のみ。要支援の方は、「介護予防認知症対応型通所介護サービス」の対象になります。施設の雰囲気や知らない人との交流がストレスになることがあります。
14,700円
※1時間以上1時間30分未満(1回あたり1,225円)、週3回、月12回利用の場合
別途、食費(500円程度)がかかります。
短期入所生活介護(ショートステイ)短期間、1~30日程度宿泊して、生活介助や療養ケアなどを利用することができます。
【注意点】
利用を希望する日が集中した場合は、予約をとれないことがあります。
10,720円
※ユニット型、利用料(1回あたり920円)、居住費(420円)、週2回、月8回利用の場合
別途、食費(500円程度)がかかります。
小規模多機能型居宅介護月額料金が定額制で訪問介護、デイサービス、泊まりを利用することが出来ます。
【注意点】
利用定員を超えたり、人材不足などで回数を制限されることがあります。他のデイサービスを受けれないなど、他の介護保険サービスとの併用制限があります。
22,534円
※別途、食費(500円程度)、宿泊費(2,000円程度)がかかります。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)常に介護が必要な人を対象、食事や入浴、療養上の世話などを受けることができます。
【注意点】
利用は要介護3以上、待機者が多く入居まで時間がかかることがあります。
138,273円
※利用料(1回あたり27,773円)、居住費(59,100円)、食費(41,400円)、日常生活費(10,000円)の場合

利用者の負担額

 介護サービス費の負担額は原則1割、一定の所得がある人は2割、現役並み所得がある人は3割負担になりますが、要介護度別の支給限度額を超えた介護サービス費は全額自己負担になります。
【要介護度別支給限度額】

要介護度支給限度額
(単価10円で計算)
自己負担額
(1割負担の場合)
要支援1 50,320円 5,032円
要支援2105,310円10,531円
要介護1167,650円16,765円
要介護2197,050円19,705円
要介護3260,480円26,048円
要介護4309,380円30,938円
要介護5362,170円36,217円